本日、2013年3月3日、小学館より第1刷が発行された書籍、
「特別活動の教育技術〜自分を鍛え、集団を創る!〜」
(書店にはすでに並んでいます。)

この本の内容がとてもよく、オススメです。
著者は、文部科学省の現・教科調査官、杉田洋先生。
全国各地の小学校特別活動関係の研究会や講演会などで、杉田先生の熱く・感動的なお話に心を揺さぶられた経験のある方には、特にお薦めしたい1冊です。
杉田先生が講演会や研修会指導主事等会議等でこれまで話されてきたことを、読みやすく・わかりやすくまとめた内容になっており、特別活動の目指すべき形、本来あるべき姿を見つめ直すことができるものと思います。
小学校の学級活動の在り方を中心に書かれていますが、中学校の教員(特に学級担任)にも、ぜひ読んでほしい内容です。
そもそも特別活動とは何なのか?学級活動とは?学級経営とは?、そういうことに迷いがある人にも、指針を示す1冊だと思います。
もしも、
「来週の学活、何やろうかな?」とか、
「行事の係決め?」「席替え?」「テスト勉強?」「アンケート記入?」などと言っている先生ががいたら、
この本を読んで、特別活動、学級活動、学級経営の在り方を、今一度立ち止まって見つめ直し、学校教員としての自覚と誇りを呼び覚ましてほしいと思います。
学校教育において、目指す学級集団とはどうあるべきか?
杉田先生は「サッカー型集団を目指す」と言います。
「今の学校におけるよい集団をみると、本当によい集団とぬるま湯集団に2極化しているように思う。本当によい集団とは、一人一人がのびのびと切磋琢磨し、間違いも許されるような集団であり、学習集団としても高い学び合いができる。他方、ぬるま湯集団の場合は、表面上は大きな問題を起こさないので、一見、よい学級のように見えるが、実は、みんな仲良しのようでいて互いに関心がなく、みんな優しくと言いながら人間関係も薄い。」(「第1章同じ目標に向かう集団づくり」より一部抜粋)
育つ意識・育てる意識が疎かにされ、とにかく問題の起きないように心をすり減らして維持しつづけたぬるま湯の学級で育ったよい子たちは、困難も挫折も待ち構える厳しい現実社会をたくましく生きていけるのでしょうか。
「集団と個は共生できるものだ。共生の思想と個性重視の教育は両立する。」
杉田先生のこの考えに私は共感を覚えますし、学校教育はこうした集団の中で、展開されるべきものだと思います。
ぬるま湯集団ではなく、本当によい集団とは?それをどのようにして実現するか。
学級活動(1)で子どもたちの力をどう育て、学級の生活づくりをどのように進めるか。
学級活動(2)の展開の仕方とポイントは何か。
いじめに強い学級づくり、いじめを生まない学級づくりの考え方、そのための集団づくりの基本姿勢と杉田先生の実践例。
年度当初の出会いの演出のアイディアから、授業参観の視点例、指導案様式まで、
杉田調査官の講演や書籍に感銘を受けたことがあるなら、必読です!